なぜウ
ェールズか
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購買力が旺盛な英国消費者市場への拠点化
ウェールズは、6800万人の人口を抱える英国市場の一部です。そのため、事業拡大、貿易、投資といったビジネス活動に有利な環境が整っています。
購買力の高い成熟した市場は、開かれた自由な経済環境、豊富な専門能力、世界的レベルの研究所などに支えられています。加えて、ウェールズ国内の大学やカレッジでは優秀な人材が育成されており、世界中から集まってきた2万2000人の留学生も学んでいます。
こうした利点から、ウェールズには多くの日本企業が進出しています。現在、約55社の日本企業が事業活動を展開し、6800人以上を雇用しています。
日本からの大規模投資は1972年に始まりました。タキロンが南ウェールズに開設したPVC(ポリ塩化ビニル) 工場が第一号で、それから半世紀の間に、ソニー、シャープ、トヨタ、パナソニック、GSユアサ、大和ハウス、カルビーといった日本を代表する著名企業が次々に拠点を構えました。
トヨタは1991年に北ウェールズ工場を開設し、以来、この工場で製造されたエンジンは約500万台に上ります。近年では、同社の日本国外の工場では初めて、ハイブリッドエンジンの製造を開始しました。
ウェールズは広大な洋上風力発電の可能性と強固な陸上ネットワークを併せ持ち、丸紅やパナソニックなどの日本企業がグリーンエネルギーに投資しています。
パナソニックは1974年に南ウェールズのカーディフに進出し、昨年には、RE100の製造実証施設の立ち上げに2000万ポンドを投資すると発表しました。RE100はパナソニックの新しい自家発電システムで、純水素型燃料電池、太陽光電池、蓄電池 を用いて、製造ラインの運用に使う電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうシステムです。ウェールズは英国全域を網羅するビジネスネットワークの中で極めて重要な位置を占めており、進出企業が成功と成長を実現するための幅広いサポートを提供しています。
ウェールズから日本へは、年間総額で約2億8000万ポンドの物品が輸出されています。人口が約300万人であることを考慮すると、これは非常に大きな数字です。
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ウェールズの重点セクターとの協力
現地セクターとの協力が、ウェールズで成功する鍵です。現地企業との協力、大学との提携による専門知識や施設の活用、公共機関との連携など、さまざまな形での協力が欠かせません。
ウェールズでは重点セクターとして、化合物半導体、再生可能エネルギー、クリエイティブ産業、フィンテック、食品・飲料、高価値製造、サイバーセキュリティ、生命科学に注力しています。
これらのセクターでは多くの日本企業が活躍しており、例えば、再生可能エネルギー分野ではパナソニック、丸紅、自動車向け高価値製造業では三井金属(MCE)、マレリ、ジーテクト(G-TEM)、ジェイテクト、東海理化(TRB) などが代表的です。これらの重点セクターには全て、それぞれ専門の業界フォーラムがあります。また、各セクターのクラスターは、それぞれが持つ専門的知見、能力、スキルを共有し、さらに政府機関や大学、他社からの情報も取り入れながら、相互に連携しています。
南ウェールズの化合物半導体クラスターもそのひとつで、オープンアクセスの産業施設を整備し、研究開発からデジタルツイン化に至るまで、全てのプロセスに関する知見を提供しています。こうした施策を通じて先進的なプロトタイプ作成や量産化可能な製造方法の開発 を支援しています。さらに、英国市場や欧州市場の各地での協業の機会を提供しています。
ウェールズの化合物半導体クラスターは世界有数の集積ハブとして機能し、需要が拡大し続ける関連技術に対応する企業の取り組みを支えています。化合物半導体を活用した技術は炭素排出量ネットゼロの未来を実現するために極めて重要な技術であり、その市場価値は約2300億ポンドとされています。
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経済的メリットの優位性
英国の法人税率はG20諸国で最も低く、欧州の中で高い競争力を誇っています。
また、ウェールズならではの経済的メリットとして、工業用地の価格は英国内で最も低く、首都カーディフのオフィス賃貸料は英国内のどの主要都市よりも安価です。また、商業用不動産のコストはロンドンの約40%です。
こうした点が、多くの日本企業が半世紀以上にわたって進出を続け、今なお日本からの対外直接投資が旺盛な理由のひとつです。
ウェールズにはアクセラレーター8社、インキュベーター26社が集中しています。インキュベーター数は英国でも2番目の多さです。英国や欧州市場への事業拡大をご検討中の皆様に、ウェールズ各地で「ソフトランディング」できる主要なエリアをご紹介することが可能です。
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豊かな人材の活用
ウェールズは人材も豊富です。8つの大学と13の継続教育カレッジ (further education college)があり、全日制と定時制を合わせて22万5000人の学生が学んでいます。これらの大学やカレッジの中には古くから日本の大学等と提携して関係を築いているところもたくさんあります。
そのため、在学中に交流プログラムを通じて日本での生活を直に体験している学生も少なくありません。例えばカーディフ大学は日本の教育機関18校と提携して活発に交流しているほか、学内のカーディフ・ビジネススクールには日本研究センター も設置されています。
ウェールズは大学卒業者が立ち上げ、勢力的に活動を続けるスタートアップ起業の割合が英国内で最も高くなっています。進出企業は毎年50万人に上る英国全域の大学卒業生を基盤とする豊富な人材の中から容易に人材を見つけることができます。
貴社事業に最適な人材の募集・採用に向けて、政府資金によるさまざまな支援制度 があります。さらに、起業支援ポータルサイトの 「Business Wales 」でも、貴社既存人材のスキル開発から新規人材の採用や研修までを幅広く対象として、アドバイスや支援を提供しています。
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最高水準のイノベーション支援による利点
ウェールズでは、最高水準のイノベーション支援とガイダンスを提供し、基礎研究から新製品のマーケティングに至るまで、貴社の事業立ち上げを支援します。
ウェールズ政府が仲介役となり、協業や学術支援、専門外の知見や新しい設計、知的財産に関するアドバイスや新規設備のための資金などが必要な企業のために、適切な相手との橋渡しを行います。
こうした支援を有効に活用している日本企業のひとつが巴バルブ です。巴バルブは現在、南ウェールズの製造拠点から57カ国に向けて製品を輸出しており、国外への輸出が取引全体の90%を占めています。
その成功の主な要因が、ウェールズ政府の支援のもとで、対象地域の市場訪問を定期的に行っていることです。加えて、サプライチェーンの開発や市場調査の実施についても支援を受けており、これが対象地域における事業機会の拡大に役立っています。
また、同じく日本企業であるトヨタは、ウェールズの支援プログラムの中で中心的な役割を果たしています。ウェールズにあるトヨタのリーンマネジメントセンターはウェールズ政府と共同で、ウェールズの企業を対象にリーンマネジメント方式の普及活動を行っています。
ウェールズではさらに、SMARTというビジネスイノベーションプログラムを実施し、革新的なアイデアを新製品や新プロセスに転換して成功に導くため、産業研究、実験開発、フィージビリティスタディの支援を企業に提供しています。
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ウェールズの包括的なデジタル経済への参画
ウェールズは、包括的なデジタル経済の確立に向けて積極的に取り組んでいます。そのため進出企業にも、あらゆる分野のデジタルイノベーションを導入してもらえるよう支援します。
「ウェールズのデジタル化戦略」 には、無線通信ネットワークや5Gを含むIoT技術に注力することによって、事業活動を支援するというウェールズの国家ビジョンが示されています。
この取り組みはすでに成果を上げており、スウォンジーはブロードバンドの速い都市として英国のトップ5にランクインし、カーディフは自前のIX(インターネットエクスチェンジ)であるiXCardiffを整備して英国内で2番目となる数の接続顧客数(ロンドンを除く)を獲得しています。また、カーディフには欧州最大のデータセンターも所在しています。
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憧れのライフスタイルを楽しむ
美しい自然に恵まれ、親しみやすい人々と活気ある文化が魅力的なウェールズは、生活の場としても快適です。
何世紀にもわたって、多くの人々が国外からやってきてこの地に根を下ろしました。その結果、ウェールズは国際的な視野の広さと世界各地との文化的つながりを持った国になりました。とりわけ日本との関係は強く、ともにユネスコ世界文化遺産である北ウェールズのコンウィ城と兵庫県の姫路城は、世界遺産としては初めての姉妹城提携を結びました。
ウェールズの国土は4分の1が国立公園または特別自然美観地域 に指定されています。森の中のサイクリング、山登り、透明度の高い湖でのカヤック、1400キロメートル続く海岸遊歩道ウェールズ・コースト・パスからのアシカウォッチングや海鳥ウォッチングなど、自然を活かした楽しみは数え切れません。
カーディフには、在留日本人のための日本人学校があり、毎週土曜日に開校されています。設立は1981年。幼児クラスと、7~16歳の児童・生徒向けの公教育クラスがあります。
日本と同じく、ウェールズも文化が豊かな国です。ウェールズは「land of song(歌唱の地)」として有名ですが、歌だけでなく、演劇、文学、映画など、あらゆる芸術活動が盛んです。
ウェールズでは、日本の芸術家の展覧会や日本映画の上映が数多く行われます。こうした文化のつながりは、日本ウェールズ協会 をはじめとするさまざまな団体によってサポートされています。
ウェールズには、ウェールズ語という独自の言語があります。欧州で最も古い言語のひとつで、全人口の約5分の1がウェールズ語を話します。
ウェールズではスポーツも盛んです。サッカーやラグビーの世界的なトップチームが多く、人気のイベントも開催されています。日本との選手交流も長い間行われてきました。こうした数々の魅力に加え、平均生活費が英国全体の平均よりも低く、不動産の価格や賃貸料も安価ですが、生活の質に関する調査では、ウェールズ国内の都市や地域は高い順位にランクされています。
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ウェールズとともに未来への投資
ウェールズは、世界に先駆けてサステナビリティに取り組んでいます。世界で初めて「未来世代コミッショナー 」を任命し、政策決定に際しては、その決定が及ぼす長期的影響を必ず考慮すること、国連の持続可能な開発目標の達成に努めることを義務付けました。
ウェールズのエネルギー・環境セクターの収益は48億ポンドを上回り、洋上風力だけで80万世帯に電力を供給できます。
その理由は、ウェールズが消費エネルギーの2倍を発電していること。そして経済特区フリーポートや水素ハブを整備して再生可能エネルギーをリードしており、パートナーシップの条件がそろっていることです。
ウェールズは、世界で最初に気候非常事態宣言を表明した国です。また、リサイクル率 では世界の上位3位以内に入っています。
排出量ネットゼロの未来に向けたウェールズの取り組みでは、日本の企業も重要な役割を果たしています。丸紅はブリッジエンド・カウンティ・バラ・カウンシル と協力し、南ウェールズで、環境に配慮した輸送用燃料と暖房用燃料の生産に向けてグリーン水素プロジェクトの開発を行っています。
ウェールズは風力と潮力エネルギーに最適な立地です。それを支える港湾やインフラへの投資も活発です。
ウェールズでは、再生可能エネルギーのためのインフラに総額1億1000万ポンド以上を投資し、11の海洋エネルギープロジェクトを支援しています。2035年までに、電力需要の100%を再生可能電源で賄うことを目指しています。
ウェールズではすでに、消費電力の2倍の電力を生産しており、余剰分を輸出しています。
ウェールズは、世界で最初の「レフィル・ネイション(詰め替える国)」 となるべく、「レフィル・カムリ (カムリはウェールズ語でウェールズのこと )」の枠組みを通じて、無駄な包装や使い捨てプラスチックのニーズを大幅に削減しています。
ウェールズ中部では、水素を燃料とする環境に優しい未来型自動車の開発も行われています。
ウェールズはさまざまな施策を通じて未来に目を向けています。ぜひ、一緒に取り組みましょう。
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